#DoctorMartin について

僕は木工の仕事を今はしている。
仕事の靴を探していて、条件は足首までホールドされていて靴紐はなく、半ブーツ的であり、しかもスッと履けるもの。そして丈夫でないとならない。

何度も靴屋を訪れては、それらしいものに出会えなかった。すぐに壊れてしまうし、
どこか妥協が必要だった。


ある時、ネットで探していたら、理想の靴を見つけた。

しかし高い!
仕事の靴でそんな高い物を履くなんてあり得ない。

するともう1人の自分が耳元で囁く。

安いものばかり探すから、
毎回同じ結果になるんだよ。
良いものを身につけるということに、プライベートも仕事もそこに境はない。
その概念から離れないと、
またいたずらに繰り返しを行うだけ。

えい、やー!でポチッと
買ってしまった。

それを後から知ったんだけど
Doctor Martinという靴だった

何やらロック界やら、ファッションでも有名なメーカーだそうで、あのビートルズも履いていたことから人気があるらしい。

こちらはそんなことは全然知らず、求めていたものが、たまたまそれであっただけなのだ。

それで調べてみると、創設当初はやはり労働者の靴を生産していて、その歴史の生産意図としてそこを重視している。
それを有名人が履いたことで
たまたまファッションやミュージック分野でも取り上げられているだけだ。

僕はその流行の流れではなく、労働者の視点からこれは良いと思ったのであって、
本来の Martinの思想とピタッと合ったというわけだ。

たまに若者に『仕事で Martin履いてるんですか?』と聞かれることがある。

見ている人は見ているんだなとも思うが、僕はいつもこのように答えている。

『だって労働者の靴だからね』と。

本当に気に入っている。
簡単に壊れない。

半ブーツ的な形だから履きにくいかと言えば、サイドゴアになっていて、ゴムが伸びでスッと履ける。

しかしスッと履けてはいけない。
厳密に言うと、つま先を入れ
かかとに付いているフックを
引っ張ると簡単に履けるのだ。

置いてある靴につま先から入れスッと履けては、履いた後に遊びがあって、それは良くないという証拠なのだ。

これをボロボロになるまで履いているのが粋というものだ。

なぜならファッションで履いているのではなく、仕事で履いているのであって、外が傷だらけでも、そんなことはお構いしない。

凄くお気に入りの靴になった。

ちなみに、普通よりワンサイズ大き目を買わないとならないことを提案しておく。

なぜ靴紐があってはならないか?
若者はブーツみたいな靴紐タイプが主流かもしれないが、
こっちは木工をしているので
木屑が紐に絡まるし、そこから中にはいってくるからだ。

だから半ブーツみたいな形も
木屑侵入を防ぐためなのだ。

さらに僕はバイクにも乗るので、丁度通勤したりする時にも適している。

お気に入りのアイテムになった。
覚えておこうDoctor Martin。