今回はもう売っていない本を紹介しようと思う。
新刊で本屋にないということであり、
Amazonなら多分300円くらいで手に入る。
しかし、この本1万円以上の価値あり。
まぁ、見る人の価値観によるけれど。
100年も前の実話です。
南に浮かぶ南国の小さな島に、昔さながらの原始的な暮らしをしていた人々がいました。
そこにヨーロッパから宣教師が船に乗ってやってきました。
現地の人達はその船の大きさや、その乗り物自体にビックリ仰天!
そしてその島の酋長が代表で、ヨーロッパに連れて行って貰える事になりました。
原始的な生活をしていた酋長はそのヨーロッパ文明を始めて目にするのです。
鉄の塊の飛行機が飛び、同じく電車、
車が道路を走り回り、ビルが立ち並びという現代文明を初めて見るのです。
そうして何ヶ月か経ったある日、
ヨーロッパ旅行を終えて島に戻ります。
その有様を島の住人に伝えて演説する場面を書いた本です。
それは初めて見る文明だから、車とか
時計とか、ビルとかいう単語すら知らないので、それらを知らない島民達に伝える様は面白おかしく、笑いながら読めてしまう本です。
そして私がこの本を読んで当時思っていたように、この話を聞いた皆さんも多分次のように想像していると思います。
こんな凄いことが出来て、空も飛べて、
遠い所にも、あっという間に着いてしまう乗物があってみたいに話し、だから私達もこれに学んで、そのような文明を少しでも学んでいかないとならないと。
そのように酋長が話したように想像するでしょう。
ところがこの酋長は全く違った話をするのです。
当時、笑いながらこの本を読んでいた私は、読み終わった後に、間違っているのは私達の方じゃないのか?と何ヶ月もボーッと考えさせられました。
パパラギとは現地の言葉で白人を意味しています。
しかし実際は現代人と訳した方がいいでしょう。
この本の中で名セリフがいくつもあります。
私が大好きな言葉をひとつ紹介すると、
『パパラギは(現代人は)考えるという重い病にかかっている。』です。
これは深い言葉です。
スピリチュアル系を好む人で、この意味を本当に理解している人がどれほどいるでしょうか?
よく、思考を停止しろとか、色々言いますが、このことひとつ、何層にも分かれていて、本当に意味が深いのです。
とにかくオススメの本です。
これとは関係ないのですが、ついでにもうひとつ。
携帯電話は便利ですよね。
昔は公衆電話を探したものです。
待ち合わせには、最悪会えない場合はどうとかこうとか、決めたものです。
駅にも掲示板というものがありました。
喫茶〇〇で待つとかいうコメントなんかをよく目にしました。
更に新幹線が出来て、ものすごく早く遠くに行けるようになり、泊まり込みでいかないとならない場所でも、日帰りで行く事が可能になりました。
飛行機にしても同じです。
これらのものは、より便利にするための文明の力だと思います。
そして便利になった。
しかし考えてみてください。
人々は益々、忙しくなり、余裕すら持てなくなりました。
何のための便利なのでしょうか?
いや、そもそも便利といっていいのでしょうか?
これひとつじっくり考えて、
秋の夜長を過ごしてみてはいかがでしょうか?
パパラギ はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集 (SB文庫)
- 作者: エーリッヒ・ショイルマン,Erich Scheurmann,岡崎照男
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2009/02/18
- メディア: 文庫
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