通勤途中、いつも犬の散歩をしている少女がいる。
彼女は見るからに小学生高学年だ。
しかしその凛とした姿はもっと大人に見える。
何でもうすぐ学校なのに、この時間に散歩をしているのかというのが、最初の興味を引く始まりだった。
そして毎日出会う機会に想像が膨らむ。
犬を世話するから飼ってもらう許しを得たのかなどだ。
しかしその凛とした姿は妙に大人っぽい。
どんな子なのか想像をアレコレ膨らませ、何日かそういう日が続いて、どんな犬を連れていたか見るのを忘れたと思って後悔を毎回する。
犬の種類で彼女のもっと背景が分かるのにとも思うからだ。
でも毎回それを忘れさせるほど
彼女は凛としている。
波動とはそういう世界だ。
語らず相手に
その世界を魅了するものがある。
それは形ではなく、そのような気を出している。
日常すれ違うだけの人にそこまで意識を向けられるヒマなおっさんだと思うか知らないが、
今を生きているとは、そういう事だ。
そして一つのことから、全てを読み取る事が癖になっていることを物語る。
それは受信感度が良好なことを意味している。
自分の事で、頭が一杯の人は
そんなことすら目にも止まらない。